夕学レポート
2013年05月22日
「トレンダーズがあったから、女性にとって日本の社会はよくなった」と思われたい 経沢香保子さん
トレンダーズ社の起業と慶應MCCの開設は期せずして同じ2000年である。
売上高推移グラフを拝見すると、つい3年前まで事業規模は並んでいたようだ。いやむしろMCCの方が少しだけ大きかったかもしれない。ところがたった3年でウン倍の差がついてしまった。これもひとえに経営能力の差だと認めるしかない(MCCも少しずつ成長はしているのですが…)
トレンダーズ社を率いる経沢香保子社長は、いまや最年少上場企業女性社長だという。
全3800社の上場企業のうち女性社長は26人しかいないというからその稀少性は特筆すべきものがある。
トレンダーズの成功は、その稀少性を逆手にとったことにある。
女性の社長が少ないということは男発想の経営が行われているということ
一方、現代の消費社会の中核はF1層(20歳から34歳までの女性層)である
つまり、男発想の事業戦略と女発想の消費ニーズにギャップがある
ここにビジネスチャンスがあるはず!
それがトレンダーズ社の戦略であった
女性消費のオピニオンリーダーを組織化しようという創設当初からトレンダーズの戦略は、ソーシャルメディアというフォローウインドを見事につかまえて結実した。
女性起業家の星として、早くからカリスマ的な存在であった経沢さんだが、設立当初から上場を目指していたわけではないようだ。
ベストセラーになった著書『自分の会社をつくるということ』は、女性の新しい働き方を提示するライフスタイル提唱本であった。
トレンダーズ社の経営を「目指せ上場」モードに切り替えたきっかけは、8年前に最初のお子さんを出産されたことだったという。
難病を抱えて生まれたお子さんと向き合った経験が、「日本の女性のあり方を進化させる」ような会社にしようと決意を促すことになった。
自らの環境を前向きに捉え、そこから使命感を紡ぎ出す力が、経沢さんにはあった。
3度の出産、お子さんの介護と死別、離婚と再婚etc。それらの困難を糧に変えていける発想と思考と行動ができた、ということであろう。
経沢さんの真骨頂は、50分間とたっぷりと時間を費やした質疑応答にあったと思う。
全ての質問が想定できていたとは思わない。問われて初めて考えるような事柄もあったのではないか。それらの問いに対して、瞬時に自分の考えをまとめ、よどみなく、そして自信を持って、的確に表現できる能力は特筆ものだ。
39歳の若さながら、いい意味での「凄み」さえ感じさせた。
新世代の女性リーダーとして活躍が期待される存在である。
女性向けのソーシャルメディアマーケティングで成功したトレンダーズ社が、いま注力しているのは、女性ライフスタイル支援事業だという。
「仕事」「美」「パートナー」という現代女性の幸せの三種の神器を提供しようというサービスである。
「あれもこれも欲しい」というのが女性の本性。だから多くの女性が「仕事」「美」「パートナー」のバランスで悩む。そこにビジネスチャンスがある、ということだろうか。
「トレンダーズがあったから、女性にとって日本の社会はよくなった」と思われたい。
このビジョンを掲げる経沢さんにとって、大きなブルーオーシャンが広がっているのかもしれない。
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