夕学レポート
2011年03月15日
第10回 5/27(金) 佐野元春さん
第10回 5/27(金)の講師は、ミュージシャンの佐野元春さんです。
1980年代に青春時代を送った人間にとっては、青春のほろ苦い記憶とともに屹立する音楽の巨人です。
今回の夕学登壇にあたっては、早々にご自身のWEBサイトに紹介いただいたこともあって、あっという間に(受付初日)に満席となってしまいました。
「ミュージシャンが講演」ということに、意外だという印象をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、佐野さんがここ数年「ソングライティング」という活動に注力されていることに注目しての依頼でした。
佐野さんは、次のようなメッセージをお寄せいただいています。
-これまで、流行歌の作詞や作曲というと、芸能の一環に含めて語られがちでした。
しかし、70年代に始まり今日至る、国内のソングライターたちの充実した仕事ぶりを俯瞰してみれば、「ソングライティング」は、文学や演劇など他の表現と同様、現代的なパフォーミングアーツの一環として捉えていい、一級の表現形式だと言えます。
この講演では、テーマを「ソングライティングとは何か?」として、そうした「音楽詩」表現の諸相を省察し、その意義と可能性を伝えていきたいと思います。-
人類が「文字」を使い始めたのはいつの頃なのか、まだよく分かっていませんが、およそ三千年~二千年前のことではなかったかと言われています。しかし、芸術の一形式としての「詩」は、文字の読み書きよりも先に存在していたと聞いています。
ギリシャ時代にも、そして古代中国においても、「詩」を読むことは知識人に求められる教養でありました。
日本でも、戦前までは多くの人々が、事ある毎に漢詩や短歌を詠んだと言われています。
佐野さんの言葉を借りれば、現代社会において、その役割を担っているのは、ソングライター達の作詞活動ではないでしょうか。
かつて、文学者や演劇人・映画人が、その時代の風と匂いを小説や劇作・映画に載せて表現してきたのと同じ文化的な意味が、「ソングライティング」にはあると確信しているようです。
5/27 (金) 「共感伝達としての「音楽」と「言葉」」 佐野 元春氏
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