夕学レポート
2013年03月16日
第11回 5/31(金) 蓮池薫さん
第11回5/31(金)に登壇いただくのは、拉致被害者のお一人で、新潟産業大学専任講師の蓮池薫さんです。
蓮池薫・祐木子夫妻、地村保志・富貴恵夫妻、曽我ひとみさんの5人が北朝鮮から帰国してから、もう10年余りが経過しました。
飛行機のタラップを降りる蓮池さんらの笑顔、待ち受けた家族の皆さんの涙を、つい昨日のことのように思い出すことができます。
しかし、残念ながら、5人のご家族が帰国して以降、拉致問題はなんら進展することなく現在に至りました。帰国を待ちわびる他被害者家族の皆さんの心中を考えると胸が潰れる思いがいたします。
蓮池薫さんは、韓国語の講師や翻訳家として活動される一方で、文筆家として類まれなな才能を発揮されています。
昨年出版された『拉致と決断』という本では、北朝鮮での四半世紀の苦難の暮らしぶりを詳しく描写されています。
極限状況に追い込まれ、自由を束縛される生活の中で、蓮池さんは何を考え、どういう精神状態で、どんなことを心の拠り所にして生き抜いてきたのか。
それを、冷静に淡々とした文体で綴っていらっしゃいます。
この本を読んだとき、私は「ニーバーの祈り」と名付けられた下記の一節を思い出しました。
神よ 変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
蓮池さんが「ニーバーの祈り」をご存じだったのかどうかはわかりませんが、勇気と冷静さと知恵をもって四半世紀を生き延びた蓮池さんのお話に耳を傾けたいと思います。
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