夕学レポート
2012年03月16日
第12回 5/25(金) 中野剛志さん
第12回 5/25(金)に登壇いただくのは、経産省の官僚で、現在は京都大学大学院工学研究科准教授の中野剛志先生です。
中野先生は、反TPPの急先鋒として、テレビやネットで強烈な反対意見を述べている方です。昨年お書きになった『TPP亡国論』という本は、20万部を売り、新書大賞2012の第三位にあげられました。
今回の夕学では、反TPPの背景理論とでもいいましょうか、中野先生が専門とする「経済ナショナリズム」という政治思想についてお話いただきます。
「経済ナショナリズム」は、現代経済学の主流をなす経済自由主義思想の真逆に位置する考え方で、反グローバリズム、保護貿易主義などとセットで語られることが多い思想です。
従って、「異端の思想」と呼ばれているそうです。
中野先生は、その捉え方は、「経済ナショナリズム」のある一面を表現してはいても、本質を射てはいないと主張しています。
「経済ナショナリズム」は、あくまでも国民(ネイション)に対する忠誠のイデオロギーである。国民が豊かな経済社会を取り戻すために必要な理論と政策とはどうあるべきかを方向付けるものである、と…。
私は、「経済ナショナリズム」について一般向けに書かれた『国力とは何か』という本を読みましたが、「なるほど」という共感と「なんだこれは」という違和感が交互に沸き起こりました。実に不思議な本でした。
共感と違和感が共存するところが、「異端の思想」たる所以なのでしょうが、世界のパラダイムが変わろうとしている時に、新しい道を指し示してくれる光源は、異端や辺境から生まれるというのも事実です。
そんなことも期待しながら、「異端の思想」をじっくりと勉強してみたいと思います。
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教養としての仏教:苦しみをどう超えるのか
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