夕学レポート
2012年09月13日
第13回 11/27(火) 井上達彦さん
第13回 11/27(火)の講師は、早稲田大学商学学術院教授の井上達彦先生。演題は「模倣というイノベーション」です。
「模倣」というと、パクリ、コピーといった言葉が連想され、必ずしもイメージはよくありません。
確かに、どこかの国の海賊版のような猿真似は論外ですが、井上先生によれば「模倣」とは、立派な経営戦略とのこと。
およそすべての創造は、なんらかのインスピレーションとなる原型があるはずで、その意味で、なんらかの模倣を伴っていると言えるかもしれません。
日本人は、有史このかた「模倣」を得意にしてきた民族でした。
「ユーラシア大陸の東端に位置する島国」
という地理的な環境は、さまざまな文化や技術が、最後に辿り着き、そこで熟成し洗練されるという日本文化の特性を醸成しました。
例えば日本人は、中国で生まれた漢字をベースに、万葉仮名を生みだし、さらにはカタカナ・ひらがなを加えることで、現在の荘厳かつ雅な文体を作りだしました。
漢字は、習得に時間がかかることから庶民層に広がりにくいという欠点をもっています。ベトナムや朝鮮半島といったかつての漢字文化圏が漢字を捨てた理由もここにありました。
日本での、ひらがなやカタカナの創造は、表意文字として漢字の素晴らしさを活かしつつ、庶民層への広がりに必須な簡便化と効率化を可能にしました。
このように、模倣から始まり、極めることでオリジナルを越えるまでに洗練させてしまうというのが日本の伝統的な模倣戦略です。
井上先生によれば、「模倣」にはふたつのタイプがあるとのこと。
ひとつは、「遠い他者から学ぶ」こと。
これは、第一回の山田英夫先生が説く「ビジネスモデルのイノベーション」と同じ主旨かと思います。
もうひとつは、「悪い例から良いところを学ぶこと」
賢者は赤子からも学ぶことが出来るといいますが、模倣とは奥深いものかもしれません。
この講演では、
模倣の達人の心得から倣い合う場作りまで、模倣の原理と方法論を解説していただきます。
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~稲盛経営哲学を出発点として~
劉 慶紅
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
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『VIVANT』とテレビ局社員
福澤 克雄
(株)TBSテレビ コンテンツ制作局ドラマ制作部、演出家・映画監督
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