夕学レポート
2007年10月05日
第20回(1/24)平野啓一郎さん
第20回(1/24)の講師は、作家の平野啓一郎さんです。
純文学の若き旗手として、京大在学中に、史上最年少タイ(23歳)で芥川賞を受賞した平野啓一郎さん。
本業での旺盛な創作活動はもちろんですが、昨年梅田望夫さんとの対談本『ウェブ人間論』もたいへん話題になりました。
対談本は売れないという通念を破るベストセラーになったとのこと。
ネットの向こう側の住人として、ネットが可能にする新たな表現形態や社会像を語る梅田さんと、書籍という伝統的メディアに居を構えながらも、ネットが、社会ひいては文学にもたらすであろう可能性と危険性の両方をしかとを見据えようする平野さんの丁々発止のやりとりは秀逸でした。
この本を読んで、「文学者が語るウェブ論」を語ってもらおうと考えたのが今回お願いした趣旨です。
平野さんはブログも書いていらっしゃいますし、ネット社会の負の部分をモチーフにした書籍を電子書籍化するなど実験的な試みにも積極的です。 『顔のない裸体たち』
「純文学の棚に並んでいたら絶対に読まないであろう人達がダウンロードしている」という発言をブログで読んだことがあります。
「ネットは文学の何を変えるのか」
それは小説とは何かに関わる根源的な問いになるそうです。
若き文学者が語るネットと文学。
文学好きはもちろんのこと、平野さんの小説を読んだことがない方であっても、ネット社会の到来が私たちの「何を」「どのように」変えるのかに関心がある方に是非聞いて欲しい講演です。
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オススメ! 春のagora講座

6月14日(土)開講・全6回
小泉 悠さんと考える
【日本の安全保障】
政治、経済、環境、技術など多角的な要因を考慮する広義な「安全保障」を議論する。

人気の夕学講演紹介

2025年5月27日(火)18:30-20:30
アテンション・エコノミーのジレンマ
山本 龍彦
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)副所長、慶應義塾大学 X Dignityセンター共同代表
偽・誤情報や誹謗中傷、さらには社会的分断の一因になっているとも言われる「アテンション・エコノミー」が孕むジレンマに人権や民主主義の観点から迫り、克服の糸口を考えます。

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2025年5月30日(金)18:30-20:30
蔦屋重三郎の仕事に迫る
鈴木 俊幸
中央大学文学部教授
NHK大河ドラマ『べらぼう』時代考証教授
次々と流行を生みだしていった蔦屋重三郎との仕事ぶりを辿り、江戸時代中期から後期へと大きく変化する時代の様相を見てみます。
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