夕学レポート
2018年04月02日
第20回 7/6(金)白井さゆり先生
7/6(金)ご登壇頂くのは慶應義塾大学総合政策学部 教授 白井さゆり先生です。
黒田総裁の再任、2人の副総裁も就任し、日本銀行ではこの4月より新たな体制がスタートしています。
日銀は、2013年黒田総裁就任後、安倍政権の下で政府と共同声明を発表し、物価安定目標として「2%の物価上昇率」を掲げ「異次元緩和」を導入してきましたが、5年経た今もなお、2%の達成には程遠い状態になっているのはご存じの通りです。
「日銀の金融緩和は足りていない」と主張する黒田総裁再任によって、安倍政権では、「物価上昇率2%こそ実現できていないが、経済は各段に良くなっている。企業収益もよく、物価も2万円を超え、雇用もよい。だからこそ、今後も金融緩和策を続けるのが得策である」というメッセージを国民に送り続けているのです。
白井先生は、足許のインフレ率2%目標より程遠いこと、市場価格に歪みをもたらす国債と株式の大量買入れに市場参加者は漠然とした不安を抱えているこの現状に、中央銀行としての政策に異議を唱えていらっしゃいます。
現在は、世界景気の回復基調と東京オリンピック開催の特需、異次元緩和による円安誘導に支えられ、一見すると順調な景気拡大局面にあるように見えますが、それらの要因が剥落していけば、本来の成長力に戻るのではないかと、先生はアラートを発しているのです。
その時に慌てるのではなく、正しく現状を見つめ、日本経済の行く末について率直に国民と向き合い、対応を考えておく必要があると強くおっしゃいます。
それは、私たち国民一人一人が、今後の日本をどうしたいのかを考え、向き合うということでもあります。
白井先生の豊富なご経験と分析を解説頂くことより、日本経済の先行きについて、自分事として考えてみたいと思います。(保谷)
・白井さゆり先生
・慶應義塾大学総合政策学部 教授
・演題:「東京五輪後の日本経済」
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推薦図書 『東京五輪後の日本経済』(小学館)
推薦サイト 小学館のBOOK PEOPLE の「岐路にたつ日本経済」
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