夕学レポート
2006年09月08日
第2回(10/23) 内田和成さん
第2回目は、早稲田大教授の内田和成先生です。
内田さんは、ボストンコンサルティングのトップコンサルタントとして長年活躍してきた方です。3年前までボスコン日本オフィスの代表も務めていました。今春から早稲田のMBAの教授に華麗なる転身をされました。夕学は01年春に登壇いただいているので、久方降りのご登場です。
内田先生がこの春に出された『仮説思考』という本はかなり話題になりました。一般的な思考プロセスのテーゼは、まず問題点を洗い出し、ある基準に基づいて優先順位をつけ、選んだ問題に対する解決策を考え、さらにそれに優先順位をつけて...というプロセスをたどるべきだということになっていますが、そんなことをやっているうちに、新たな問題が発生したり、基準が変わったりしてしまいます。頭で考える論理のようには実際の問題解決は進行しません。
『仮説思考』はそのまったく逆の発想で、まず、この問題が重要ではないか、そのためにはこうすれば解決できるという仮説を2~3描き出して、それを検証しながら思考をまとめあげていくというものです。
優秀な経営者は現場をひとめ見ただけで、どこの何が問題で、どうすればよいのかを瞬時に判断する直観力に秀でているといわれますが、これは言い換えれば、仮説思考的なアプローチをしているのではないかと思います。
限られた時間の中で多くの意志決定をこなすことを求められている経営者には、おのずと仮説思考が身についていくのかもしれません。その意味ではコンサルタントであり、経営者でもあった内田先生ならではの本なのかもしれません。
今回の夕学では、「20の引き出しと仮説思考」というタイトルで、仮説を紡ぎ出す前提となる着想法・発想法にも触れていただけるようです。
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