KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

夕学レポート

2010年12月10日

幅允孝さんからのメール

きょう、ソニーとシャープの電子書籍端末が同時に発売になった。
どちからというとITは苦手で、スマートフォンは欲しいとも思わないし、ipadもあまり関心はない。でも電子書籍端末だけは「買ってみようかなぁ」と思っている。
カバンの中に常時本が3~4冊入っている。平日はそんなに読めないのだけれど、たとえちょっとの時間でも、「読みたい時に、読みたいモノを、読みたい」という欲求があるので、どうしても何冊か持ち歩いてしまう。
最近、とみにその重さが負担に思えてきたので、電子書籍は魅力的だ。
週末にでもお店に見にいこうかと思っていたら、ブックディレクターの幅允孝さんからメールが来た。(「いつもお世話になっている皆様へ」という一斉メールですが…)
幅さんには、一年前に夕学に来ていただいたからだろう。
「SONY Reader Storeのお店づくりに協力しました」という内容だったので、早速覗いてみたら、ここで連載を持つようだ。
本の匂いや手に取った時の質感、めくった時のパラパラ感などを重視する人だったので、電子書籍について、どういうことを言うのか,興味深いところである。
白いご飯は箸で食べるのが一番だけれど、カレーライスやリゾットは、スプーンの方が圧倒的に食べやすい。料理の種類が増えれば、新しい道具が出てくるのは当たり前のことだ、とある。
なるほど、その通りだ。
「読みたい時に、読みたいモノを、読みたい」という読書スタイルには、新しい道具があってしかるべきなのだ。
たしか、塩野七生の「ローマ人の物語」文庫版の冒頭に、文庫サイズという本の形態は、グーテンベルクの活版印刷の匹敵する大発明だったというようなことが書いてあった。
洋服の内ポケットに入るサイズの本が生まれたことで、読書は、はじめて書斎を飛び出すことができた。
電子書籍により、今度は、本棚ごと持ち歩くということが可能になるのだろう。
とはいえ、いかにも幅さんらしい一面もある。
「紙で味合う一冊」というコーナーがあって、この本は、紙の束でないと味わえないよ、という本が紹介されている。
今月は、
「本を愛しなさい」 / 長田弘 (著) / みすず書房
が紹介されていた。
なぜか、この本が読んでみたくなった。
まんまと幅さんにしてやられてしまった(笑)

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