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TOKYO of the kids,by the kids,for the kids <Day 1>

2017年11月14日

山内 久未

「今度、仕事で日本へ行くので10歳の娘Katieと12歳の息子Henryも一緒に連れて行きます。(パパは今回お留守番。)普段仕事で忙しくて、子どもたちとなかなかゆっくり過ごす機会がないので、今回は子どもたちの行きたいところ、やりたいことを存分に叶えてあげたいと思っているのですが、都内で2日間ツアーのアレンジをお願いできますか?」

前回書いたように、「ベビーシッター」という自分の新たな得意分野?を見出した私に、Annaさんというイギリス人ママからぴったりのツアー依頼が舞い込んできました。かくして、通訳ガイドになって初めての子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのためのツアーを決行することになった私。どうなることやら…。

いきあたりばったり?!子どもたちのリクエストは…

ツアー依頼はいただいたものの、出発直前までお仕事がとーってもお忙しかったAnnaさん。JRチケットの予約方法や待ち合わせ場所についてしばらくメールのやりとりが続きましたが、実際行くところは「子どもたちの体調やリクエストを聞きながら、当日決めよう!」とかなりアバウトな感じで当日を迎えることとなりました。いつもなら行先の下調べや下見を念入りに行うところですが…こればかりは仕方ありません。

少しドキドキしながら待ち合わせ場所であるホテルのロビーに向かうと、笑顔の素敵なグウィネス・パルトロー似の知的美人Annaママ、ジャスティン・ビーバー並の超イケメンHenry君、そしてデビュー当時のハーマイオニーことエマ・ワトソンそっくりのKatieちゃんとお会いすることができました。(それにしても美男美女率がやたら高いKimmyのお客様…なぜなんでしょう…??)

さっそく子どもたちにどこへ行きたいか尋ねてみると、2人とも日本行きの飛行機の中で作戦を練ってきていたようで、声を揃えて「Akihabara!!」と、元気のよい答えが返ってきました。今日の行先はこれで決まりです。

子どもたちは秋葉原に何を求めてやってきたのか?

ところで、秋葉原といえば皆さま何を思い浮かべるでしょうか?
電気街?メイドカフェ?
一般的な傾向として、インドやパキスタンなどのアジア系の国のお客様は前者のショッピング、欧米のお客様は後者のようなオタク文化の発信地としての姿を求めて秋葉原を訪れることが多いです。インドのお客様は特にMADE IN JAPANの電気製品や日用品を秋葉原で買いたい!というリクエストが強く、ある団体バスツアーではお客様から「浅草も皇居も明治神宮もぜーーーんぶ飛ばしていいから秋葉原でひたすら買い物させて」と言われ、3時間以上ただただ買い物していたこともあるくらいです。(しかも全員男性。)

そんな秋葉原に、子どもたちは一体何を求めてやってきたのでしょうか?

まずHenry君からは「ドローンショップが見たい!」とのリクエスト。

おお。なるほど。なんだか男の子っぽいなぁと、さっそく調べてみると、さすが秋葉原、路地裏のちょっと込み入った雑居ビルにドローンやロボットの専門店を見つけることができました。Google Mapを頼りにたどり着き、中に入ってみてびっくり。数千円から1万円台で買える意外とお手頃なドローンや、様々なパーツ、一から組み立てられる工具付のセットなど、全世界全人類の男の子たちが(たぶんおじさんたちも)目を輝かせそうな品々が狭い店内にひしめき合っています。

聞けば、Henry君の学校では私たちの子ども時代のラジコンやプラモデル感覚で、ドローン作りが男の子たちの間で流行っているのだそう。昔と大きく違うのはその楽しみ方のバリエーション。iPhoneと連動して操作できたり、写真や動画を撮れるだけでなく、撮った映像に音楽をつけてYouTubeにアップし、友達同士で見せ合ったりと実に様々な手法で楽しんでいます。

もちろん自分が遊ぶだけでなく、大人が同じくドローンで撮影した世界各地の美しい風景を観ることも大好きなんだそうです。きちんとルールを守って使うことが大前提ですが、ドローンをはじめとした様々な技術によって、今の子どもたちの世界は一気に広がっているのだなと、なんだかHenry君がちょっぴりうらやましくなりました。

What’s“Gumball”??

続いてKatieちゃんのリクエストは「Gumball!!」

へ?ガムボール??あのフーセンガムみたいなまん丸の??と私が首を傾げていると、こう続けてくれました。

「ニホンのアキハバラにはガンボがたくさんあるって、YouTubeでみたの」

ガムのようなまん丸なボールがたくさんあるといえば…
あ!もしかして!と、私はKatieちゃんとある場所に向かいました。

Kimmy「もしかして、これのことかな?」
と、ずらーーーっと一面に並ぶ機械を指差すと、
Katieちゃん「きゃーーーーーーー!!!!! Gumball Paradise!!!!!」と歓声をあげて大喜びです。

みなさまはおわかりになりましたか?Katieちゃんの言うGumballとは、Capsule Toy(カプセルトイ)、通称「ガチャガチャ」のことだったのです。海外ではフーセンガムやキャンディが入っていることが多いのですが(なのでKatieちゃんは“Gumball”と呼んでいたのですね)、日本のガチャガチャは1個数百円とは思えない多彩なバラエティと精巧なクオリティ。秋葉原のゲームセンターなどで何十台ものガチャが並ぶ圧巻の光景はまさに「ガチャ天国」そのもの。外国人観光客からも好評で、日本ならではのお土産としても大人気なのです。

興奮のあまり片っ端から買いそうになるKatieちゃんですが、そこは冷静なAnnaママ。両替機に1,000円札を2枚投入し、コイン10枚ずつをそれぞれの子どもたちに渡します。

「この10枚のコインで買える分をよーく選んで買いなさいね。Katieが選ぶのを待っている間、Henryはこの10枚のコインで遊べる分だけ、Kimmyと一緒にゲームセンターの中で遊んでいていいわよ。」

結局Katieちゃんは悩みに悩んで、ぴかぴか光るキーホルダーや小さくて可愛いサンリオキャラクターのおもちゃなどを数点購入。Henryくんは全予算の1,000円を賭けてUFOキャッチャーで可愛い柴犬のぬいぐるみを見事ゲットし、「これあげるよ」とKatieちゃんにそのままプレゼントしていました。(よっ!男前!!)

「遠すぎて行けない」Henry君がしょんぼりした東京の西の果てとは?

こうしてすっかり秋葉原を満喫した様子の子どもたち。日本到着日で疲れていることもあり、今日はホテルに戻り、明日は朝から観光することになりました。

ホテルに戻る電車の中で、「明日はどこを回りたい?」と尋ねると、さっきまでニコニコしていたHenry君の顔が急に曇り始めます。ん?どうしたの?と聞くと、意外な答えが。

「実はね。Supremeっていう大好きなアパレルブランドがあって、毎週土曜日に新作が発売されるんだ。明日は土曜日でしょ?ロンドンではほぼ毎週欠かさずお店に行ってチェックしてるから本当は日本でもその新作をゲットしたいんだけど、さっき地図を見たら、僕らのホテルはTokyoの東端、Supremeの日本店はTokyoの西端だから、とてもじゃないけど遠すぎて行けないなって…ちょっとしょんぼりしてただけ。」

ちなみにご家族のホテルはお台場でした。確かに東端と言えば東の端だけど…
お台場から行けないほど遠いだなんて、Henry君お目当てのそのショップ、よほどの西の果ての郊外にあるのか??と思い、さっそくiPhoneに「Supreme 東京」と入力し、調べてみました。すると。

所在地:渋谷、原宿、代官山

いやいやいやいやHenry君。これ以上ないくらい、都心のど真ん中にあるよ。ホテルからも電車一本で行けちゃうよ。

そう告げると、さっきまで暗かったHenry君の表情がぱあああっと明るくなりました。確かに東京23区のガイドブックでは新宿・渋谷エリアとお台場をはじめとした臨海地区は、地図上の両端に描かれているため、すごーーく遠いところのように感じたのでしょう。

「え?!本当?!じゃあ行きたい!渋谷のスクランブル交差点も見てみたい!」
とHenry君が言うや否や
「そこからHarajyukuは近いの?わたし、学校で使えるような可愛い文房具や小物が欲しいの!」とKatieちゃん。

これで明日の行先は渋谷・原宿方面に決まりました。
プライベートではもちろん、ガイドとしても何度も訪れているエリアにもかかわらず、Henry君Katieちゃんたちと巡った渋谷・原宿の1日は、私にとって予想外の連続で、楽しい驚きに満ちた日になったのです。
というわけで次回、「子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのためのツアー~渋谷・原宿編」に続きます!

山内 久未(やまうち・くみ)
慶應丸の内シティキャンパスで2年間ラーニングファシリテーターとして多くのプログラムを担当。退職後、約2年間の勉強生活を経て2015年春より通訳案内士(通称:通訳ガイド)として日々奮闘中。

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