KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

ファカルティズ・コラム

2010年08月12日

研修やセミナーを活かすために

前回のエントリーの最後で、
—————————————————–
研修やセミナーはスキルを身につけるきっかけに過ぎません。
そこである程度のレベルまで行ったとしても、「完全に身についた」ことにはなりません。
私も完璧ではなく、日々修行だと思っています。(そもそもゴールなどないのです)
そして研修やセミナーは、ゴルフで言えば“打ちっぱなし”でしかなく、そこでできたからといって、本番であるゴルフコース、つまり仕事の現場で使って成果が上げられなければ何の意味もないのです。
だから仕事の現場で使い続けてください。
—————————————————–
とお願いをしたわけですが、今回はその続きとして「研修やセミナーで学んだことを仕事の現場で使い続ける」ためのコツについてお話ししましょう。

研修直後には「学んだことを仕事で使ってみよう」と思っていたのに、忙しさに紛れて忘れてしまい、研修直後の“熱さ”も次第に冷めてしまう。
これは非常に一般的な現象です。
あなただけではありません。心配ご無用。
とはいえ、これではせっかく学んだことが活かされずに終わります。
なんともったいない。時間とおカネの無駄です。
だから工夫が必要です。
私はそのポイントは2つあると考えています。


まずひとつめが、『スケジュールに強引に組み込んでしまう』こと。
要するに、手帳やスケジュール管理ソフトに学んだことを使う仕事を明記するわけです。
せっかく学んだことを、思い出したり思いついた時に実践しようとしても無理です。だって仕事で忙しいですから。
だから「ロジックツリーを意識して使おう」と思ったのなら、手帳に日時を明らかにして「ロジックツリーで○○の原因を考える」と書き込むのです。
そしてそこに他の予定を入れなければ、やらざるを得ませんよね。
こうしてスケジュール化し、自分を追い込む。そうでもしないと、従来の楽な(しかし実は効率の悪い)やり方を続けてしまいます。
また、月/週/日単位でテーマを設定してそれを手帳に書くというのもおすすめです。
たとえば「今週はとにかく「Why?」を自分と周囲に問う」などです。
実はこのやり方、かのベンジャミン・フランクリン(アメリカ独立宣言の起草者のひとりであり、雷が電気であることを凧を使った実験で証明したあの人)が実践していたやり方です。
彼は自分の手帳に「勤勉」「節制」など13の徳を日別に書き込み、それを意識するように心がけていたそうです。
ちなみに、全世界で愛用されている手帳として有名な『フランクリプランナー』は、フランクリンのこの手帳の使い方に敬意を表してネーミングされました。


そして2つめのポイントは、『楽しんでやるための工夫をする』ことです。
今までの自分のやり方がいかに生産性が低いかがわかり、そして強引にスケジュールに組み込んだとしても、やはり新しく学んだことを実践するのはタイヘンです。
なぜならば慣れていないから。裏を返せば今までのやり方を変えない方が楽だからです。
新しいことをやるの誰しも面倒くさいですから、どうしても「イヤイヤやる」形になりがち。
これでは長続きしないのも無理はありません。
であれば「イヤイヤやらなくて済むように」、つまり極力楽しんでやるための工夫をすれば良いのです。
ロジックツリーならパズルだと思ってやるのも良いでしょう。
時間を計ってタイムトライアルにしてしまい、「よし、先週から2分短縮した」のようなモチベーションを上げる工夫もあるでしょう。
なんでも良いのです。
要は「楽しい」と自分が思えるようになればOK。
楽しいことは続けやすいですから。


『スケジュールに強引に組み込む』『楽しんでやる工夫をする』。
これらの工夫で学んだことを実践していけば、いずれその成果は出てきます。
「最近変わったな」と声を掛けてもらえるようにもなるでしょう。
そうすればまたモチベーションが上がります。
わざわざ楽しんでやる工夫をしなくても、やることそのものが楽しくなります。
これが好循環。
そしてこの好循環が回れば、いつしかスケジュールに組み込まなくても実践できるようになります。
意識しなくてもできている。『習慣化』されたわけです。
これが「学んだことが身についた」状態なのです。
道のりは個人差もありますし、決して楽な道ではありません。
しかし成長無くして今後のキャリアを伸ばしていくことはできません。
そして成長とは新しい知識やスキルを習得するだけでなく、「悪い習慣を良い習慣に変える」ことで実現します。
変革には痛みはつきものです。
楽しようとしていたら成長など望めない、ということは少なくとも認識しておくべきでしょう。



ああ、また今回も最後は私自身への叱咤になってしまいました(笑)

メルマガ
登録

メルマガ
登録