KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2014年10月17日

技術の組み合わせで未来を読む

昨日、毎年恒例のIT関連のイベントに参加してきました。
やはり古巣であり、そして専門であるマーケティングに欠かせないIT系のトレンドをつかむためです。
その感想ですが、「いい意味でも悪い意味でも、スゴイ世界が訪れそうだ」と感じました。
キーワードは『IoT』『画像認識』『人工知能』の3つです。
そしてこの3つはそれぞれ単独というより、その「組合せ」がポイントです。
かいつまんで解説しましょう。




1.IoT
これは”Internet of Things”の意で、要するに「なんでもかんでもインターネットに繋がる」ということです。
現在インターネットに接続されたサーバーが世界で約10億台。
さらにパソコンやタブレット、電子書籍端末にスマートフォンやゲーム機を加えると、その数は約60~70億台にもなります。
今後はこれに加え、家電やクルマ、監視カメラやセンサーに自動ドアなど、あらゆる電気が必要なモノがインターネットに接続されるようになります。
その数、なんと500億台。
これは遠い話ではありません。あと数年もすれば、間違いなく何百億台の「モノ」がネットに繋がるようになります。


2.画像認識
今やスマートフォン内蔵のカメラは、ちょっと前のデジカメより高画質なのはご存じの通り。
そして高画質ということは、その中の情報量が多いということ。
それを認識する技術、特に次に述べる人工知能と組み合わせることで、10年前は想像もできなかったことが既に実現されています。
たとえばこの“clarifai”というサイト
ここに写真をアップロードすると、「そこに何が映っているのか」が表示されます。
試しに私がスマホで撮った東京駅の写真をアップしたところ、「街/旅行/輸送/道路/建物」といったワードが、コンマ何秒で表示されました。
驚いたのは、「仮面ライダー」の画像をアップしたら、バイクの乗っていない写真なのに、ちゃんと「モーターサイクル」というワードが出てきたことです(笑)
プログラムが、画像から「意味」を読み取ったのです。
また、正面の人物写真だけから、自動的に輪郭や凹凸を読み取り、あらゆる確度から見た写真を作成する技術も確立されています。
さらに、Youtubeにアップした動画は自動で手ぶれ補正がなされていますが、これも仕組みを聞いて驚きました。
なんと動画データから、「撮影者は何を被写体として撮ろうとしているのか」を判断し、被写体以外の背景だけを画像処理して手ぶれにシンクロさせ、「手ぶれのない動画」にしているのです。


3.人工知能
先に述べた画像認識は、人工知能の進化の一部でしかありません。
今までのコンピュータ(プログラム)は、人間が「このデータはこういう意味」「こういうときはこう判断して、こう返せ」と、一から十まで指示してあげる必要がありました。
しかし現代の人工知能は違います。
プログラミング、つまり人間の指示がなくても、データ(情報)を与えてやれば、大量のデータを比較することでそこからパターンを自分で見いだし、モデルを作ります。
つまり、「自己学習」ができるほどに進化しています。
具体例を挙げると、あるコンピュータに「何も教えずに」インベーターゲームをやらせます。
そもそも何を目的としたゲーム(ゲームかどうかすらコンピュータは知らない)なのか、どうなったら勝ちでどうなったら負けか、そしてどう操作するのか、コンピュータは何も知りません。
だからゲームが始まれば、当然何もしないまま負けてしまいます。
そうすると彼(もはやこの表現でよいでしょう)は試行錯誤を始めます。
左右に動けること、弾を撃てば敵を倒せること、壁をうまく使うと良いこと。
これらを「学習」します。
そしてやがて、コンピュータはゲームに勝つ。
まるで「2001年宇宙の旅」や「ターミネーター」の世界です。
チェスや将棋のプログラムが、プロを負かすまでに強くなったのも、この「データからモデルを自分で作る」ことができるようになったからです。


さて、世界中の「モノ」がインターネットに繋がり、それに付属するカメラやセンサーが様々な情報を読み取る。
そして「読み取った」情報から、人工知能が試行錯誤しながら意味を「読み解く」。
これらの「確実に来るITC環境」によって、こらからどのようなことが起こると思いますか?
たとえば、現代の犯罪捜査の定番である「監視カメラ映像の入手」→「人海戦術でそれをチェック」というプロセスは、早晩不要となるでしょう。
IoTで繋がった監視カメラの映像は全てクラウド上に蓄積されます。
犯罪が起きたら、容疑者の写真(どの角度でも、どんなに小さくても良い)を入れるだけで、いつどこにいて今どこにいるかは瞬時に特定される。
住基カードのデータに写真も入れれば、もはやIDだけ入力すれば、全ての国民の全ての行動は「筒抜け」となります。
確かに便利ですが、これは怖い世界でもあります。
しかしこれは既にSFの世界の話ではなく、リアルな「すぐそこにある未来」です。
もちろん他の使い道もたくさんあります。
私たちに役立ち、喜びを与えてくれるようなサービスが次々に出てくる。
そんなITCであってほしいと思います。
あなたは、この技術トレンドから、どんな未来を想像しますか?

メルマガ
登録

メルマガ
登録