KEIO MCC

慶應丸の内シティキャンパス慶應MCCは慶應義塾の社会人教育機関です

2016年08月03日

「都知事選」「ポケモンGO」「シン・ゴジラ」というパンドラの箱

ここ最近、様々なニュースが世間を騒がせています。
このブログでニュースを取り上げるとき、いつもはひとつを選んで深掘りしていますが、本日はちょっと趣向を変え、様々なニュースを私なりに「こう読み、こう考えた」というスタイルで解説してみたいと思います。
取り上げるのは、保守分裂+野党相乗りの中で、結局は自民党への推薦を取り下げた小池百合子氏が当選した「東京都知事選」。
そしてブームというより、もはや狂想曲とも言える「ポケモンGO」。
最後に、あの「ファインディング・ドリー」を押さえて動員トップとなった、映画「シン・ゴジラ」です。
それぞれ私なりの解釈をシンプルに述べた後、この3つのトピックスから見えてくることについて、解説してみたいと思います。
では、まずは都知事選からいきましょう。






1.東京都知事選
tochijisen.jpg
この毎日新聞の出口調査から、比較的若い層が小池氏を推したことがわかります。
このあたりの層の特徴は、インターネットとの親和性が高いということ。
つまり、テレビ・新聞という既存メディアがあまり取り上げなかった鳥越氏のスキャンダルやトンデモ発言、そして自民党都連の「本人、親族が増田氏以外を応援したら除名もあり」という通達文書といった情報を知った上で、小池氏に投票した人が多かったということです。
小池氏のネット戦略が上手かったというより、あとの2候補が下手すぎたと言えるでしょう。
また、この結果は「ソーシャル戦略が選挙戦を大きく左右する」ということだけでなく、「投票によって若年層でも政治を変えることができる」ということ、そして「選挙は組織票で決まるものではなくなりつつある」ことを示しています。
その点では、私はかなりエポックメイキングな選挙であったと考えます。


2.ポケモンGO
Pokemon-GO.jpg
やはりこれを取り上げないわけにはいかないでしょう。
あなたはやっていますか?
私も配信開始の翌日にインストールし、まずは出張先の広島で始めたのですが、なかなか楽しいです。
とはいえ、ハマるというほどではありません。元々、ゲームそのものへの興味というより、「ビジネスモデルとしての可能性」「ARという技術の応用と普及」「日本経済への影響」という視点で、「まずはやってみないと」と始めたわけで。
既に指摘されているような「歩きスマホ」の問題については、ここで語るつもりはありません。
私が気になるのは以下の2点。
まず、一時のブームが通り過ぎた後、どうユーザーを維持するか、その戦略です。
単に歩き回ってポケモンを捕まえる。それはそれで楽しいのですが、それだけでは「続ける」モチベーションとしては弱い。
また、現在のジムバトルだけでは、ヒマとカネがある「ガチオタ」には絶対勝てませんから、そうなるとライトな層が離れていきます。
まあ、これに関しては他のスマホゲーのやり方(ここでは詳しく触れませんが)なども参考にしつつ、きっと対策を打ってくるでしょう。
スマホゲーに本気になったときの任天堂の底力に期待します。
気になる点のもうひとつは、ビジネスモデルとしての今後の展開です。
これは任天堂やナイアンティックに限った話ではありませんが、「アイテム課金」「コンティニュー課金」「ガチャ」といった従来の収益モデルに加え、今回ポケモンGOが行った日本マクドナルドとのコラボは、ひとつの試金石だと考えます。
単純な「広告モデル」ではない、新たなビジネスモデルがここから生まれるかもしれません。
私は、Twitterでこうつぶやきました。
——————
既存の生態系を破壊し、新たな生態系を創る。
ポケモンGOは恐竜を滅ぼし、哺乳類の王国を作った巨大隕石だ。
自然の力に善悪はなく、ポケモンGOも善でも悪でもない。
古い生態系を取り戻すのはもはや不可能。
新たな生態系にどう順応し、繁栄するか。
様々な業界がその力を試されている。
——————
5年後、「全てはポケモンGOから始まった」と言われる「何か」がある。
そう予言しておきます(笑)


3.シン・ゴジラ
singozira.jpg
はい、オフィスのPCの上に「初ゴジ」「キンゴジ」の食玩を置いているくらいのゴジラオタですが何か?(笑)
(専門用語の解説は割愛します)
まだ公開中ですからネタバレは避けますが、これ、観ないとダメです。
5年前の震災の時、丸の内で味わった恐怖、そしてヘリコプターからの津波の生中継で味わった絶望。
それがこの映画にはあります。観ればわかります。
しかし、私はそんなサディスティックな感覚を味わえるから「観ないとダメ」と言っているわけではありません。
「諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう」
「総理、そろそろ好きにされてもいいのでは?」
若き政治家たちがこう言います。
確かに恐怖や絶望がこの映画には溢れています。
まるでパンドラの箱を開けたように。
それもハリウッドのどんな大作からも感じられなかった、圧倒的なリアル感を持って。
しかしパンドラの箱と同様に、私たちは見つけます。
そう、希望を。
この映画の登場人物たちも一筋の希望を見つけ、そして協力者の輪を広げます。
そのプロセスを見て、「頑張れ!」「頼む!」と私たちは心の中で叫びます。
これはそんな映画です。
だから…観ないとダメなのです。


さて、私が今回「都知事選」「ポケモンGO」「シン・ゴジラ」を取り上げた意味がわかっていただけたと思います。
この3つ、すべて「パンドラの箱」です。
(シン・ゴジラは、この作品がパンドラの箱というよりは、そこで描かれている状況が、ですが)
都知事選の結果も、そしてポケモンGOも、確かに様々なリスク・問題があります。
しかし、政治やゲーム、そしてビジネスにおけるひとつのターニングポイントであることは確かですし、パラダイム・シフトと言えます。
だからもっと「希望」に目を向けましょう。
どんな思想や考えを持とうが、それは個人の自由。
しかし、既に起きている状況に文句や不満を述べるだけでなく、それを自分にとって、そして自社のビジネスや社会にとって「チャンス」ととらえた方が良いと思うのです。
絶望や恐怖に繋がる「リスク」だけでなく、「希望」を探しませんか?

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