ファカルティズ・コラム
2021年11月30日
会議に2分遅刻して…
智の共有サイト「Quora」になかなか面白いスレッドがあったのでご紹介します。
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あなたが会議に遅刻したとき、上司から「君は30人から2分、計60分みんなから時間を奪った」と言われたら、どのように言い返しますか?
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さて、あなたならどう回答しますか?
現時点でこの質問には53件の回答がついています。
その回答の傾向を見ると、さすがQuoraと言えるウィットに富んだ反論、言い換えるなら「ネタ回答」が約半数。
「そうですか、では会議の時間が多ければ多いほどいい結論が出ると言う根拠をください」
といった、ひろゆき氏ばりのロジカルな屁理屈が並びます。
こうした大喜利こそQuoraの醍醐味ですね。
しかし意外に多かったのが、「遅刻した方が悪いので言い返すなど言語道断」とか「1分1秒を無駄にしない=正義」という論調の回答でした。
生産性を上げるためには時間を無駄にしないことが大切
これはその通り。
しかし「生産性」で重要になるのは時間だけではありません。
「生産性」とは「アウトプット」÷「インプット」で算出されます。
「アウトプット」とは工場なら製品の生産数量、営業なら売上高や成約件数、そして会議なら適切な解決策やアイデアの数などが具体例となります。
では「インプット」は?
はい、これが時間やコスト、そして人数や原材料、事前情報などにプレークダウンできるわけですね。
「生産性」は前述の通り割り算で求められますから、テーマである「会議の生産性」を問題にするのなら一人くらい遅刻しようが時間内に適切な結論にたどり着ければ良いということになります。
「いや、みんなを待たせたことが問題で」というのであれば、そもそも「待つ」ことが問題であり、それもたったの2分…
しかしここで考えるべきは「何分の会議か」です。
2時間で予定されていたなら「たった2分」ですが、仮に15分なら大問題(笑)
「時は金なり」は間違っていません。「時間を大切にする」のも重要です。
ただ、「時間に厳格である」ことにこだわりすぎると、「生産性」の本質が見えなくなってきます。
ちょっと大げさですが、こんな質問の回答からも日本企業の問題点のひとつが見えてくるように思うのです。
「決められた時刻に始め、決められた時刻に終わる」、この『オンタイム』を重視していると、いつまでたっても生産性など上がりません。
重要なのは『短時間で終わる』こと。
そして会議であれば『参加人数を絞る』ことも重要です、今回の質問は30人の会議ということですが、「本当に30人必要なのか?」です。
さらに言えば、「短時間で適切な結論を出す」ための事前準備や工夫こそ、会議の生産性を上げるためのポイントのはず。
「インプットを減らす」ことで生産性は上がりますが、インプットが同じでもこれらで「アウトプットの質や量を上げる」ことができれば、それもまた生産性を上げることになるからです。
もっと言えば「その会議は本当に必要なのか?」も問うべきでしょう。
そう、会議は仕事の一部でしかなく、「会議の生産性を上げる」こと以上に重要なのは「業務の生産性を上げる」ことなのです。
…では、私ならどうするか。
そりゃあ「すいません!」で終わりです。言い返してそこから言い合いにでもなれば、それこそ「時間の無駄」で生産性を落としてしまいますから(笑)
大喜利に参加するなら?
「来る途中で○○専務に呼び止められまして…後で専務にクレーム言っておきますね」
とかでしょうか。座布団はもらえなさそうですが(笑)
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