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ファカルティズ・コラム

2007年12月27日

「ガリレオ」と論理思考力

今年も本当にあっという間の1年でした。
ということで今年最後のエントリーは、先日最終回を迎えたドラマ「ガリレオ」について。
我が家ではこの秋~冬のドラマでは、これと「医龍」が定番でしたが、特にこのドラマは毎回楽しく、かつ思考力の講師としては興味深く観ていました。
ちなみに余談ですが、ガリレオこと湯川先生を見た家族から、「パパにそっくり!」と言われたのが、「なぜ話を変えるときに『ところで』とか『話は変わりますが』とか言わない?」というセリフでした。
でもその後に「まあ見た目は似ても似つかないけど」と言われましたが(笑)
さて、話を戻しますが(笑)、このドラマ、“考える”ということに関して、「実に興味深い」(これまたガリレオ先生のセリフですが)部分が多々ありました。


たとえば第8話の「霊視る」を例にとってお話ししましょう。
この回は、ストーカー殺人だと思われた被害者が、同時刻に事件現場から30km離れた自宅にいた妹に窓越しに目撃された、という事件がテーマでした。
「人間が10分で30km移動できるか」という難問に対して、湯川は妹の証言を言下に否定せずに、その可能性を探ります。
ここで(思考力的に)重要なのが、
1.非科学的と否定せずに可能性を徹底的に考える。
2.ひとつのことを徹底的に考える。
という湯川の姿勢です。
これこそ、
1.非現実的かどうかは後回しにして、広く考える
2.イシュー(今考えるべきこと)を特定して考える。
という、論理思考の最も重要なポイントなのです。
これ、簡単なようでなかなかできていないことです。
自分の中で浮かんだ、あるいは若手の話したアイデアに対して、
「そんなのありえない」と言って(考えて)いませんか?
また、何かを考える時に、
「あっちがこうで、でもこちらもこうで…」と論点が迷走していませんか?
これでは適切な答は見つかりません。
原作者や脚本家が、論理思考を勉強したかどうかはわかりませんが、見事にこのドラマでは論理思考の基本を押さえています。
「そんな見方したらドラマがつまらない」とおっしゃるかもしれません。
しかしながら、時にはボーっとドラマを観るのではなく、こうして考えながら観るのも良いものです。
私などは、この手の推理ドラマは「いかに主人公より早く事件を解決するか」という視点で観ていますが、それによって随分思考力が鍛えられたと考えています。
自慢ではありませんが、最近では主人公が犯人の何にどう突っ込むかを高い確率で的中できるようになりました。(やはり少し自慢ですかね(笑))
別に強制するわけではありませんが、時にはこうした視点でドラマを観るのも楽しいですし、確実に思考力の向上にも繋がります。
複数の情報から何が言えるか、そしてそれに照らし合わせると、誰が犯人なのか。
これが見えてくるのは、ある意味“知的快楽”です。
実はこのプロセスこそ、論理展開の基本である帰納法と演繹法そのものであり、仕事や日常生活で「ちゃんと考える」ことの基盤スキルです。
そしてこの「ちゃんと自分の頭で考える」というのは、仕事や生活、全てを豊かにするためにも必要なはずです。
「年末までそれかよ」と思わないでください。
考えることは全ての基本です。
私もまだまだ修行の日々。
来年はもっと効果的・効率的に考えられるようになりたいものです。
そして皆さんのスキルアップに少しでも貢献できれば・・・
では、良いお年をお迎えください!

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