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二軍選手のチャレンジ

2012年12月11日

村田 吾大
食品メーカー勤務

 早いもので、夏の終わりにグローバル・リーダーシップの3日間プログラムに参加してから3か月が過ぎました。先日当時のメンバーと呑む機会があり、寒風に吹かれながら、改めて参加当時の熱さ(暑さ?)を想い出しました。
 大学卒業以来ずっと一つの食品メーカーに勤務して早や17年になります。この間、営業・人事・海外事業などの業務に従事してきました。一見、幅広いスキルや経験が身についたようにも思えるのですが、所詮低成長の一企業の中での経験ですし、高々17年の限られた時間の中での話ですので、それだけでは”キャリア”とは言えません。また幅広い経験を得たという事は、深耕する機会を失っている事も意味します。そんな中でもまあ前向きに、常にちょっとずつ背伸びをしながら新たな事を学んで、チャレンジして、また過去の事も折に触れてアップデートする事を心がけています。

 今回のプログラム参加は、正にそのちょっと背伸びをした学びの機会でした。勤務先では海外事業を担当していますが、赤子のような案件があるだけで、皆様に海外事業担当と名乗るのは恥ずかしいのですが、勢いと若干の謙虚さを心に秘めて突っ込んでいきました。一條先生のレクチャーや何度も読み込んだケースのみならず、他の皆様の成功談・失敗談の全てが、先人の知恵となって自分の中に疑似体験としてインプットされるのは、この上ない快感でした。仮に、今後10年現在の業務を続けて、業績を発展させる事に成功したとしても経験しきれないような幅広い厚みのある様々な経験・知見が、教室中を飛び交っていました。今考えると、たぶん、いや間違いなく、二軍クラスの選手が、一軍やメジャーの選手と混じってオールスターゲームに出て、メジャーリーガーの高い技術を目の前にして、見惚れてしまっていたのでしょう。

 3日間のオールスターゲームを終え、当然の事ながら疲労困憊になり、翌週からまた二軍の球場に戻って試合をしているのですが、一度オールスターに出た選手は、仮に二軍選手であれ、姿勢やスキルなど何らかの進歩があるはずです。以前住んでいた家の近くに日本ハムの二軍の鎌ヶ谷球場があるのですが、昔ここにいた選手が日本シリーズに出ているのを見ると、例えば田中賢介内野手とか吉川投手とか、とても嬉しくなります。それに比べ我が阪神タイガースは、メジャーや他チームのベテランを毎年入団させていますが、阪神の二軍選手はもう辟易しているに違いありません。

 仕事柄、東南アジアの国々に出張する事が多いのですが、彼らから学ぶことが非常に多いのです。大局観に基づいてリスクをとってトップダウンで投資を素早く判断して時には変更できる経営者、いいものを素直に(時にずうずうしく)学びたいという姿勢を持つ技術者、身の丈を知る実生活を実践している庶民、ディテールを過剰に重視しないマーケティングなど、様々な教えを頂いています。マレーシアの昔のルックイーストならぬ、ルック東南アジア!(旅行代理店のパンフレットみたい・・・)が座右の銘になっています。一方彼らが日本企業を見る視線にはまだまだ多くの(過大な?)期待が宿っており、私のような者の一見の訪問であっても過分な期待を頂く事が多いです。この点は、日本の国全体の諸先輩方の、長年の経済活動・現地貢献のお蔭だと強く感じます。

 改めて3日間を振り返ると、当たり前の事ですが、他の参加者の皆様も自発的な意思を持って参加してきています。中には自費で参加されている方もいらっしゃって、その方の受講姿勢たるや凄まじいものがありました。既にその自発性の部分で、クラスの質は担保されているのでしょうが、一條先生のプロフェッショナルな姿勢がさらに質を引き上げていると感じました。社会人教育は大学生に対する教育とは異なる部分も多いのでしょうが、実業面にも厚い知見、魅せる事に徹するプレゼンテーション、社会人としての相互敬意が根底にあるコミュニケーションなど、クオリティの高い学びの場が提供されていました。

 今後も折に触れ、ちょっと背伸びをした内容のプログラムに参加して、実はその領域では二軍選手レベルなのに、メジャーリーガーたちに交じって野球をして、いつの日か自分がメジャーで暴れてみたいものです。
まだたったの41歳の若造ですから、そんな夢を持つのもアリですよね!

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