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2014年07月08日

【ほうやのロンドン便り】夏の楽しみ~ウィンブルドンに行ってきました

保谷範子

イギリスの夏の風物詩ウィンブルドン。
テニス4大国際大会のひとつであるこの選手権は、イングランドが予選敗退してすっかり盛り下がったサッカーW杯と入れ替わるように、6月最終週から7月第1週にかけて開催され、今年も熱戦が繰り広げられました。
舞台となるウィンブルドン(Wimbledon)は、ロンドン中心から約30分の閑静な住宅街ですが、開催期間中は世界中からテニスファンが集まりにぎわいます。
今回、錦織圭選手の活躍もこの目におさめたく、世界一有名なテニストーナメントに出かけてみました。


ウィンブルドンには、センターコートとNo.1~19までたくさんのコートがあります。
ウィンブルドンと言えば、これまでにも数々の名試合が行われてきたセンターコート。「一度でいいからセンターコートでの試合を観てみたい」という方も多いことでしょう。しかし、この観戦チケットを手に入れるのは至難の業で、その年の始めに行われる抽選に当選しなければ、前売り券を入手することはできません。
センターコートと、No.1、2のコートには専用のチケットが必要ですが、それ以外のコートで行われる試合はどこを観てもOKというグランドチケットが当日券として数多く販売されます。
対戦表が発表されるのは試合前日の夜ということもあり、お目当ての選手の試合を観戦したい場合は当日券をねらって出かけるのが手なのです。
と言っても、やはり世界一有名なテニストーナメント。当日も並んで入手しなければなりませんから、そう容易くはありません。
さる6月28日、錦織選手の第2回戦をねらって始発電車でウィンブルドンに向かい、当日券に並ぶことにしました。
最寄り駅から歩くこと10分、広々とした芝生にはすでにたくさんの人が並んでいます。
トーナメント会場の隣りにある公園の広大な芝生スペースが、この期間は当日券を求める人のために開放されていて、みなレジャーシートを敷き、ピクニック気分のようで楽しそうです。
でも、さすがテニスの聖地。係員の誘導でみんな綺麗な列をつくって行儀よく並び、ジャケットを着た担当者が「Could you have any question? 何かお困りのことはありませんか」と数分おきにまわってきてくれます。
敷地内には朝食やコーヒーの屋台が並び、お手洗いも完備。ガイドや新聞、観戦グッズを売る人が来たり、スポンサー企業の商品配布があったり、盲導犬団体が寄付を募っていたり…と、並んでいる間も飽きることがありません。
そうこうしていると、Queue Card(キューカード:イギリスでは「列」のことをQueueと言います)と呼ばれる整理券が配られます。私が手にしたのは3000番台の券。
朝6時過ぎに到着しても、すでに3000人以上の人が並んでいたということなのですが、それもそのはず、明日の当日券をめざして、テントを張って並んでいる人の列がすでにできているのです。
センター、NO.1、2コート専用の当日券各500席を含め、全体で約5000枚の当日券が販売され、私も早朝から並んだ甲斐あって、錦織選手の試合を応援することができました。
ウィンブルドンは会場の中も華やかです。たくさんのカフェやレストラン、そして名物のクリームがかかった苺やシャンパンなどのカウンターも並び、記念グッズを置くショップもあちこちにあります。
各コートの観客席以外にも、The Hill と呼ばれる芝生の丘には巨大スクリーンでセンターコートの試合が実況され、みんな芝生に寝転びリラックスした様子での試合観戦が印象的です。
この季節のイギリスは陽が長いため、試合が続く夜9時過ぎまで十分明るく、天気が良いと爽やかな風に包まれますから、外でのんびりと過ごすには最高の場所。仕事帰りに夕方から観戦に来る人も少なくありません。
ウィンブルドンは夏のイギリスの一大イベント。
期間限定のテーマパークのようでもあり、特別な試合を観ることができなくとも、この雰囲気を味わいに足を運ぶファンが多いこともうなずけます。
格式と伝統の中にもイギリス人らしい遊び心が詰まっており、その場にいるだけで華やかな気分になるウィンブルドン。
私もすっかりウィンブルドンファンとなって帰りました。
 

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