学びの体験記
2008年06月10日
新しいことへの挑戦
川崎理恵子
シュプリンガー・ジャパン株式会社 人事総務部 アシスタント・マネージャー
風薫る5月。私にとって、季節と同じくらい清々しく、若葉のような新しい気持ちになれた出来事がありました。それは、昨年秋からスタートしたクレド・プロジェクトが完了し、当社のクレド・カードが完成したことです。クレドとはご存知の通り、会社の共通の価値観や信条を表すものです。いわば、社員のための心の羅針盤です。出来立てほやほやのクレド・カードを見ていると、新たな気持ちと意欲が沸いてきます。クレド委員会のメンバーと半年間奮闘した賜物です。
会社でクレドを作るきっかけになったのは社長の発案だったのですが、それを実現するためのヒントやモチベーション、具体的な策を与えてくれたのが、慶應MCCの人事制度のクラスでした。私の勤めている会社は、ドイツに本社がある外資系学術出版社です。新卒入社でこの会社に8年勤めておりますが、その間に株主や経営者が変わり、オランダの会社と合併するなど、いくつもの企業文化が混在するようになっていました。日本支社としては本社に必死についていくしかありません。日々の仕事に終われ、チームワークやコミュニケーションが二の次になる状況の中で、社員の気持ちを一つにまとめ、価値観や目標を共有することが必要だと感じました。
そんな時たまたま慶應MCCの存在を知り、早速「組織活性化に向けた人事制度」という講座を受講しました。
驚いたのは、同じような悩みを抱えている人事担当者が多いということ。その中で感心したのが、受講者の皆さんがとても真剣に会社のことを考えている、ということです。これはとても刺激的でした。講師の原田浩正先生がクレドの専門家であるということもあり、漠然と考えていたクレドの話が、講座を重ねるごとにだんだん具体的になってきたのです。同じクラスのメンバーの貴重なアドバイスや原田先生の説得力のある経験談などを拝聴するうちに、自分のモチベーションがどんどん上がり、授業が終わる晩秋の頃には社内でクレド委員会を結成するまでになりました。
クレドが出来上がるまでのプロセスの中で一番の重要ポイントは、全社員アンケートでした。クレド委員会が作るのではなく、社員が作ることに意義があるのです。出来上がったクレドが強制でも押し付けでもなく、自分たちのアイデアの結集だということがわかれば、自然と実践しやすいクレドになります。一体感を醸成し、「誇り」に繋がると思うのです。またクレド委員会のメンバーも、すべての部署から公平に選び、新入社員、リーダークラス、管理職層がまんべんなく揃うように工夫しました。こういったプロセスも、慶應MCCのクラスのメンバーからの意見や、先生のアドバイスからヒントを得たものです。
今はまだ出来上がったばかりですので、ぴかぴかのクレド・カードを眺めては達成感に浸っておりますが、今後はクレドの浸透策を練らねばなりません。これが一番大切で、難しいことなのですが、クレド委員会一同、気持ちが熱いうちに浸透策についての議論と実践を重ねて行きたいと思います。このプロジェクトには終わりがないということを胸に言い聞かせて・・・。
ここまで書いてつくづく思うのが、慶應MCCを受講していなかったら、今頃クレド・プロジェクトはどうなっていただろう?という思いです。慶應MCCでは、組織の活性化について学びましたが、ただ座って受講する受身スタイルではなく、初日から自社の課題についてプレゼンをする機会を与えられました。混沌とした問題点を明確化し、さらにそれを人事のプロ達の前で発表するという授業は、その当時は試練でしたが、今となってはとても貴重な体験です。このクラスの良かったところは、課題を発表し、それを解決するための具体的なアクションプランを、具体的な年月を入れて発表するというものです。みんなの前で堂々と発表してしまったら、有言実行するしかありません!授業のたびに進捗状況も発表するので、私のような「何でも後回しにするタイプ」にとってはまさに特効薬でした。実現したいという思いに火をつけてくれた、慶應MCCの原田先生とクラスの皆さんには大変感謝しております。
「学び」とは常に新しいことへの挑戦だと思います。立ち止まらずに好奇心旺盛に進んで行くこと。そして、学ぶ上で一番大切なのは「素直」であることです。自分を振り返ったり、いろんな人の意見を受け入れたり、感動したり・・・。私の尊敬するビジネスパーソンの一人に、還暦を過ぎても好奇心旺盛で素直で、常に新しい目標に向かって走り続けている人がいます。そういう人には人を惹きつけるパワーがあります。学ぶだけではなく、それを実践できること。その繰り返しが人を無限に成長させるのだと思います。「なるほど!」と思ったことを実行に移すことに本当の「学ぶ」意味があるということを、慶應MCCクラスで教わりました。私にとって、クレド・プロジェクトはその一番最初の成功例です。この達成感なら何度でも味わいたい。これからも貪欲に学んで行きたいと思います。
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不易流行の経営学を目指して
~稲盛経営哲学を出発点として~
劉 慶紅
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
日本経営倫理学会常任理事
稲盛経営哲学に学びながら、人間性を尊重し、利潤追求と社会貢献の統合をめざす経営学理論を構築する、新論が真論となり、不易流行の経営学として結実することを目指して。
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『VIVANT』とテレビ局社員
福澤 克雄
(株)TBSテレビ コンテンツ制作局ドラマ制作部、演出家・映画監督
私にとっての道は、TBSにありました。『VIVANT』は、同じような夢を持つ若者たちの道標になってほしい、そんな思いも込めてチャレンジした作品です。日本のドラマ界、映画界を目指す皆様、夢はあるけど方法がわからない皆様の一助になればと願っております。
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