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「天職との出会い」細川泰史

2011年05月10日

プロフィール

1962年生まれ。京都大学工学部工業化学科卒。
新卒でリクルートに入社。以来、人事、採用、キャリアに関する仕事に一貫して携わる。人事採用担当を4年、求人広告の営業を通して企業の採用コンサルティングに13年、個人のキャリア支援をテーマにした新規事業開発に1年半、エグゼクティブサーチ(人材紹介)に3年。成長期のリクルートにおいて、早くからマネジメント業務にも携わる。
21年間勤めたリクルートを2006年に卒業し、株式会社キャリアエージェントを設立し、代表取締役に就任。口コミの紹介だけで知り合った候補者のキャリア支援をするという、キャンディデートスタンスに立った新しいスタイルのエグゼクティブサーチ事業を展開。米国CCE.Inc認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
プライベートでは、1999年、2000年、2004年とヨットのJ24クラスで日本代表として世界選手権に出場。好きなものは、「人との出会い」「スポーツ」「坂本龍馬」「美味しいお店巡り」「ビール・ワイン」「義理・人情・浪花節」。

 

私の10年史(2002-2011)

~ 天職との出会い ~
MCCの「キャリアアーキティクチャ論(ファシリテーター:金井壽宏先生)」の受講当時は、リクルートの中で、「個人のキャリア支援」をテーマにした新規事業開発を行なうキャリア事業開発室の責任者をやっていた。
「対法人」「対自治体」の2軸でビジネスをデザインしていたが、ゼロからマーケットを創っていく新規事業の難しさを初めて体験した。入社以来、一番悩んだ時期と言ってもいい。このときに、「個人のキャリア支援」ということを突き詰めて考えたことが、後に自分のこだわりに活きてくることになる。

翌年の2003年、リクルートグループの中で、エグゼクティブサーチ事業を手掛けていたリクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)を見てほしい、との辞令が出て異動。キャリア事業開発室では、色んな模索をして、ようやく方向性を示し、事業を推進するタイミングだったので、後ろ髪を引かれる思いも強くあったが、エグゼクティブサーチ事業に携わることになった。

赴任して、最初に感じたのが、今まで携わった人事としての「採用」の観点、求人広告の営業時代に培った「企業経営を採用という切り口からのコンサルティング」の観点、キャリア事業開発室で係わった「個人のキャリア支援」の観点を全部統合してできる仕事、ということ。

エグゼクティブサーチの仕事は初めてだったが、誰に教わるでもなく、自然と「何が大切で」「どういう風に対応すると候補者と信頼関係が築け」「どういう風に提案すると企業側と深くコミュニケーションが取れ」「業績が上がるか」が見えた。
そういう意味で、自分にとっての「天職」に巡り会った感覚だった。
「あつ、これだ!」と感じた感覚を、今でも憶えている。
その時に自分の中で決めたことがあった。
「この道でずっとやっていくことになるだろう。であれば、自分自身の独自のこだわりのやり方、ノウハウを確立してみよう」と。
それから、自分を育ててくれたリクルートを愛していたので、
「すぐに独立するのではなく、リクルート・エックスをいい会社にしよう」と。
単なる仕組みで動くのではなく、人脈をたよりながら、口コミの紹介のみで、候補者にも、企業にもアプローチするやり方を自分で模索した。リクルートグループのネットワークを使うともっと楽に仕事はできただろうが、自分が思うスタイルを自分で検証してみたかった。

結果として、業績は常に良かった。フラットな組織だったので、最初はコンサルタントとして動き、しばらくして、ゼネラルマネージャーとしてチームを持ち、マネジメントし、自分自身もプレイングで動いた。
その間、常に、自分が考えるエグゼクティブサーチのあり方について、自ら検証することを心掛けて動いた。
その後、執行役員に就任。その頃になると、組織としても成長し、私が赴任したときに比べ、コンサルタントの数が2倍に、売上は約7倍に増えた。

その頃までは、小さな組織(会社)だったので、グループの中でも治外法権で、好き勝手やらせてもらえていたが、急に利益を出す組織になってきたので、経営からのチェックが入り始めた。要は、「もっと仕組みを入れて、人を増やし、大きく売上を伸ばしてほしい」と。企業としては当たり前のことである。

一方、私が考えるエグゼクティブサーチのビジネスは、仕組みを入れて規模を追っかけ過ぎると質が担保できなくなり、結果として価値を提供できなくなる、と思っていた。
そんな流れもあり、リクルートに入社して21年間やってきて充分やり切った感もあり、そろそろ自分が考えるやり方がどこまで世の中に受け入れられるかチャレンジしたい、という気持ちになり、独立を決意。今から思うと、ごく自然ななりゆきだったと思う。
お付き合いしていたある社長から、「独立するときは、ごく自然な風が吹くから」とアドバイスを受けていたが、まさしくその通りだった。

2006年3月末に、21年間務めたリクルートを退職し、株式会社キャリアエージェントを設立。自分が考える、エグゼクティブサーチ事業を行なう会社である。
コンセプトは、ハンティングは一切行なわず、口コミでお知り合いになった候補者の「キャリアのエージェント」として、末永いお付き合いをし、その方が最大限に生きるポジションをコーディネートする、というもの。
あくまで基本はキャンディデート(候補者)スタンス。また、クライアント企業からのご要望に対しても、候補者リサーチは口コミで動く。ある意味、リファレンスを取れている方をひとつひとつの案件に丁寧にご紹介していく動き方。結果として、この動き方が、キャンディデートにも、クライアント企業にもWin-Winの関係を提供できるものと考えるからである。

元々のこだわりの原点は、「個人のキャリア支援」を突き詰めて考えたときに、これからの時代は、どんな優秀なビジネスマンにも、医者、弁護士と同様に、キャリアについての「かかりつけ」の「キャリアのエージェント」が必要と思っていた。
その思いを社名にしたのである。

候補者の方との最初の面談では、1時間半~2時間以上、じっくりとお話をお聴きする。その際、その方の「根っこ」を探し、見つけてあげ、共有するようにしている。「根っこ」が共有できれば、信頼関係が増し、また、その方の次の活躍の方向が見える。これも、大きなこだわりである。
設立以来、これらの「キャンディデートスタンスに立つ」こだわりを持ってやってきた。ありがたいことに「自分のやりたい仕事を」「自分のやりたいペースで」やらせてもらっている。
そして、イメージした通り、口コミで候補者とのネットワークが拡がっている。そして、クライアント企業とのネットワークも口コミで拡がっている。

無事6年目を迎えたが、全ては、今まで係わっていただいた全ての方たちの支援があってのものと大変感謝している。
このエグゼクティブサーチの仕事をやってきて、今、年間200人近い方とお会いし、色んな方の色んなお話を聴いて、今思う持論めいたことは、どんな優秀な方でも、キャリアの相談ができる人を求めている、ということである。

「誰もがキャリアのエージェントを求めている」

これからも、多くの候補者の方たちの支援をしていき、キャンディデートスタンスを大切にして、日本を少しでも元気にしていきたい。

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