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ピックアップレポート

2006年03月14日

鶴岡タウンキャンパスのあゆみ

慶應義塾大学鶴岡先端研究教育連携スクエア 事務室
慶應義塾大学先端生命科学研究所 事務室

鶴岡タウンキャンパス(TTCK)
http://www.ttck.keio.ac.jp/
2001年4月、慶應義塾は、山形県および庄内地域市町村との連携のもと、山形県鶴岡市に慶應義塾大学鶴岡タウンキャンパス(TTCK)を設置しました。その中核を成しているのが先端生命科学研究所です。
先端生命科学研究所の研究は、キャンパスセンターとバイオラボ棟の2つの施設で行われています。TTCKは、既存のキャンパスと密接に関係しながら、先端的な分野の研究開発を行い、研究教育活動を進展させ、産官学の連携を促進しながら、創出した諸技術を自治体、企業等に積極的に移転し、我が国における科学技術水準の向上と地域振興に貢献する事を目的としています。


先端生命科学研究所
http://www.iab.keio.ac.jp/
2001年4月、鶴岡タウンキャンパスに設置された本格的なバイオの研究所である先端生命科学研究所(IAB)では、最先端のバイオテクノロジーを用いて生体や微生物の細胞活動を網羅的に計測・分析し、コンピュータで解析・シミュレーションして医療や食品発酵などの分野に応用しています。
本研究所はこのようにITを駆使した「統合システムバイオロジー」という新しい生命科学のパイオニアとして、世界中から注目されています。
[事業化]
IABでは、研究成果を積極的に特許化、企業化することにも取り組んでいます。
IABの冨田勝教授及び曽我朋義助教授らは、2003年7月、IABのメタボローム(細胞内全代謝物)測定・解析技術をベースに、慶大発バイオベンチャー企業・ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ社(HMT社)を設立しました。このHMT社では、医療・創薬・食品発酵などの産業応用を目指してIAB内で研究開発を実施しており、2003年10月、慶應義塾が制定した慶應発ベンチャー支援制度「アントレプレナー支援資金」の第1号に適用され、慶應義塾の出資を受けています。今までに多くの企業と共同研究を行ない(2004年1月(株)ミツカングループ本社、2004年6月味の素(株)、2005年2月三菱ウェルファーマ(株)、2005年6月アジレント・テクノロジーズ・インク、2005年9月中外製薬(株)との共同研究を開始)、着実に成長しています。
[教育]
IABでは、先端研究と教育は切り離して考えられないという理念のもと、慶應義塾のさまざまな学生を対象とした教育活動を展開しています。平成16年度は、春学期には30名、秋学期には35名の学生が鶴岡で活動を行いました。
「バイオキャンプ」は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の学生が一学期間鶴岡タウンキャンパスに滞在し、バイオテクノロジーの基礎を体験するというプログラムです。実験経験の全くない湘南藤沢キャンパスの学生を対象とし、まず実験器具の取り扱い方の初歩から始めます。
課題ではまず各学生自身のDNAを抽出し、次にアルコール分解酵素の遺伝子を分析、酒に強いタイプか弱いタイプかを自分で「遺伝子診断」し、最後に、最新鋭のDNAシークエンサーを用いて、取り出した遺伝子のゲノム配列を解読します。
また、このほかに、全国の高校生に最先端研究の一端を垣間見る機会を与えることを目的とした「サマー・バイオ・キャンプ」を毎年実施しています。
[受賞歴]
IABの研究成果は国内外から高い評価を受け、これまでに多くの賞を受賞しています。
メタボローム解析技術の開発とその事業化の事例は、2003年6月に第17回独創性を拓く先端技術大賞(日本工業新聞社主催)の日本工業新聞社賞、 2004年1月に第4回慶應義塾大学知的資産センター賞、2004年6月に第3回産学官連携推進会議(内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、日本経済団体連合会、日本学術会議主催)における産学官連携功労者表彰の科学技術政策担当大臣賞、2005年4月に第5回バイオビジネスコンペJAPANの最優秀賞を受賞しています。この他にも、2002年11月に第16回日本IBM科学賞、2003年11月にIBM Shared University Award(米国IBM社主催)を受賞しています。
[国際会議]
IABの研究・教育の取り組みは国内外から注目され、多くの研究者が視察に鶴岡を訪れるようになっています。
毎年のように国際学会も開催され(2002年9月「日米合同ワークショップ~有用微生物のシステム生物学」(米国エネルギー省・(財)バイオインダストリー協会・本研究所主催)、2002年9月「リボヌクレアーゼH国際会議」(米国立衛生研究所主催)、2003年6月「バーチャルバクテリア国際会議」(国際大腸菌アライアンス主催))、2005年に開催した第一回国際メタボローム学会には21ヶ国から297人の研究者が集まりました。このように本研究所と鶴岡市はシステムバイオロジーの世界的な拠点として広く認知されるようになり、今後の更なる発展が期待・注目されています。

慶應義塾大学 鶴岡タウンキャンパス(TTCK) http://www.ttck.keio.ac.jp/
先端生命科学研究所 http://www.iab.keio.ac.jp/
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)社 http://humanmetabolome.com/
サマー・バイオ・キャンプ http://ksbc.iab.keio.ac.jp/

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