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新時代において変革を先導しうるビジネスリーダーの輩出 ―慶應義塾大学大学院経営管理研究科のご紹介

2008年07月08日

慶應義塾大学大学院経営管理研究科

1.経営管理研究科の特徴

慶應義塾大学大学院経営管理研究科は、1978年に、それまでの慶應義塾大学ビジネス・スクールの1年制課程を発展的に解消し、わが国最初の2年制MBAコース(大学院修士課程)として設立され、さらに1991年には、経営に関する研究教育者養成を目的とした博士課程を併設し、今日に至っています。
経営管理研究科のMBAコースは、慶應義塾建学以来の実学の精神のもと、それぞれの時代に応じた、ビジネスリーダーの育成に努めてきました。
そして、いまわが国は、戦後の高度経済成長、安定経済成長、バブル経済崩壊後の経済停滞を経て、新たな成長のためのビジネスモデルやマネジメント・スタイルを確立する時期に至っています。そこでは、経済のグローバル化や情報通信技術の飛躍的な発展はいうに及ばず、人々の価値観や規制環境などのめまぐるしい環境変化のなかで、専門的マネジメント能力の重要性はますます高まっているものと思われます。
そうしたなか、経営管理研究科では、「新時代において変革を先導しうるビジネスリーダーの輩出」という教育目標を掲げています。


この新時代の変革リーダーには、経済社会や企業経営のあり方がいかに動いていくかの仕組みを理解すること、それによって短期的な動きや浮き沈みに近視眼的に惑わされることなく、なにが変わりなにが変わらないのかを見通せる確かな目をもつこと、さらにそれらに基づき、未来への構想がいつでも描ける見識を得ることが、なによりも大切でしょう。変化の激しい今日のビジネス環境において絶えざる変革を可能にする変革リーダーは、この構想力をもってこそ、可能になるものと考えます。
このために、経営管理研究科のカリキュラムは、大きく分けて、基礎科目、専門科目、ゼミナールの三つの部分から、構成されています。

■基礎科目

基礎科目は、マネジメントに関わる主要8領域について設けられています。本研究科の学生は、1年次にこの8科目のすべてを履修することにより、経営全般にわたる専門的マネジメント能力の醸成が図られます。
これら基礎科目は、本研究科の特徴の一つであるケースメソッドを全面的に採用しています。ケースメソッドでは、受講者一人一人が、様々な時期、地域、業界の具体的事例に触れ、考え抜くことによって、専門的マネジメント能力として、経営管理の基本や諸側面に関する理解を深めるとともに、変わりゆく環境において変化を見極めるいわば動体視力と、創造力を生む知恵を身に付けることが目的とされています。

■専門科目

次に、専門科目では、「連携」をキーワードに、様々な教育プログラムが用意されています。
連携の第1は、学界との連携であり、高度な研究能力を有する本研究科教授陣による、最先端の研究成果を活用した教育です。
第2は、実社会との連携です。経営管理研究科の専門科目では、講義やケースメソッドに加え、様々な実務家の方々による講演や演習、あるいは企業調査、顧客調査、コンサルティングなどのフィールドスタディを重視したものも少なくありません。また、こうしたフィールドスタディに主軸をおいたフィールド科目も提供されています。
第3は、海外との連携であり、海外ビジネススクールから教員招聘、そして海外ビジネススクールとの国際単位交換留学プログラムが行われています。国際単位交換留学プログラムでは、現在27の海外有力ビジネススクールと協定が結ばれ、毎年多くの本研究科学生が海外のビジネススクールで学び、また多くの海外ビジネススクール学生が本研究科で学んでいます。
第4の連携は、他研究科との連携であり、既に本塾医学研究科とのジョイントディグリー・プログラムがスタートし、両研究科共通の専門科目を履修することにより、MBA取得後、最短1年で医科学修士号を取得することが可能になりました。
こういった連携は今後も一層強化される予定です。
これらの専門科目によって、本研究科の学生は、関心のある専門分野により重点をおいて、より高度な知識、技法、理論を多彩な形で学び、それらによって、変革のための構想力に磨きをかけることになります。

■ゼミナール

本研究科のいま一つの特徴であるゼミナールでは、担当教員当たり最多でも7名以下の学生という少人数教育のなかで、密度の濃い議論により、典型的には、自ら問題を発見し、最先端の理論や技法を駆使して、問題解決を図る、といった形で、修士論文の執筆が行われます。
経営管理研究科は、その前身である慶應義塾大学ビジネス・スクールの1962年の設立以来、それぞれの時代が求めるビジネスリーダーの輩出を目指して、絶え間ない進化を遂げ、いまさらに、来るべき時代において変革を先導しうるビジネスリーダーの輩出のために、進化を続けています。

2.教育の方法 ―ケースメソッド

実際の経営状況をまとめたケースを素材に、ディスカッションを通して新しい知恵を共創する教育方法です。
本研究科の特色の一つは、主たる教育方法として「ケースメソッド」を採用していることにあります。ケースメソッドは、1900年代の初期に、ハーバード大学ビジネス・スクールが中心となって開発し、改良してきた実践的な経営教育の方法です。

■ケースメソッドの流れ

参加者は、まず現実の企業経営の実態をもとにして作成された「ケース」を受け取ります。ケースには、経営者、管理者が判断し決定する当面の問題、関連する周囲の状況や意見などが記述されています。このケースをもとに、参加者は、次の3つの学習プロセスに主体的に「参加」することになります。

 

これら3つのプロセスを通じて、参加者は、
(1) ケースにおいて意思決定を必要とする問題が何であるかを明らかにし、
(2) その問題に関連する記述・資料を関係づけ、解釈し、
(3) その問題を解決する具体的方策を考え、これを提案し、
(4) その方策が当面する問題と周囲の関連状況に適合するものであるかどうかを比較・検討し、
(5) 最終的判断(意思決定)を下す、
ことになります。
現実の企業経営の事例をもとに作成されたケースを教材として、上記のような訓練を多数繰り返し行うことによって、「ケースメソッドによる教育」では、「一般的な知識や理論の一方的講義」からは得られない実践的な経営意思決定能力が養成されるのです。
本ビジネススクールでは現在約1,500タイトルの「ケース」を保有しております。それらの分野は、経営情報システム、マネジリアルエコノミクス、組織行動、人的資源管理、会計とコントロール、財務管理、生産政策、マーケティング、企業経営、国際経営、経営環境、経営史に分けられます。この中から、授業の目的に合わせたカリキュラムに従ってケースが選ばれ、ケースメソッド教育が行われます。 ケースの使用は公開されており、どなたでも購入することができます。

3.プログラムについて

■修士課程(MBA課程)

<教育の目的>
「マネジメントのプロフェッショナル」にふさわしい資質を持ち、実際に「リーダーとして社会に貢献できる人間」の育成を目的とします。また、本修士課程は、ゼネラリストとしてのバランスのとれた総合的能力の養成に重点を置いています。これからの専門的経営管理者は、一分野の専門知識のみならず、その背後にある経営の多様な要素を有機的に関連付けることのできる能力が不可欠であると考えるからです。
<学生参加型の教育メソッド>
上記の教育方法(ケースメソッド)にも詳述されているように、このプログラムの大きな特徴は、実際の経営状況をまとめたケースを素材に、ディスカッションを通して新しい知恵を共創する、いわゆる「ケース・メソッド」を採用している点です。経営管理研究科には、日本あるいは外国の実際の経営問題を題材に、専門家が教育用に書き下ろしている「ケース」が常時1,500本以上準備され、それらを用いた授業はケースメソッドによる指導訓練を受けた教員によって行われます。入学者はMBA課程を通じ、500から700にのぼるケースに取り組み、現実の意思決定にかかわる参加型のシミュレーションを重ねていくことになります。
一方、ケースメソッドを採用していない科目群の中にも、様々な学生参加型の教育が重視されています。たとえば、社会・経済・経営に関わる最新の配布資料の予習を前提とするクラス討議、教員の指導を受けながらのフィールドスタディ、ロール・プレイング、ディベート、産業界をリードする経営者を数多く招いての授業内ディスカッションをはじめ、多彩な手法が取り入れられています。
<ゼミナールと修士論文>
MBA課程の後半には、高度な専門科目を選択履修するほか、本研究科内のゼミナールから一つを選んで所属し、各専門分野で研究者として高く評価されている指導教員の助けを得ながら、修士論文を完成させます。各ゼミナールの定員は概ね4~7名であり、マスプロ教育では得られない非常に密度の濃いインタラクションが可能です。少人数ゆえに、修士論文の内容をめぐる議論に加え、主に経営技法を扱う通常のクラスではなかなか掘り下げられない、世界観や歴史観、あるいは人生観、さらには文化と教養などについても話し合う機会が珍しくありません。また、ゼミナールの先輩後輩のつながりも強く、在学中に限らず修士課程修了後も、互いの成長の刺激となる貴重な人脈を形成することができます。卒業生の修士論文要旨は修士論文検索サービスでご紹介しています。一覧を表示したい場合は、年度の欄に表示したい年度を選択し、検索ボタンをクリックしてください。
<豊富な国際交流の機会>
フルタイム2年間の修士課程(MBA)在籍者は、選抜の上、北米、欧州、アジアの経営大学院へ1学期間(第2学年の9月~12月)留学することができます(国際単位交換留学プログラム)。在学生の約6分の1程度が本制度による留学を経験します。一方、提携先校からは毎年第3学期(1月~3月)に留学生を受け入れ、英語による授業を行っています。この英語科目は、本校在籍者も多数履修しています。

■博士課程(Ph.D)

2年間の修士課程は、経営管理に関する実務家の養成を目的としており、課程修了者には経営学修士(MBA)の学位が授与されます。それに対して3年間の博士課程は、経営に関する専門的な研究・教育機関において研究と教育活動に携わる研究者を養成すること、および研究・教育機関以外の専門機関において高度の専門家として活躍しようとする人材を育成することを目的としています。
本博士課程は、上述の目的に適う資質のある学生であれば、各自の出身大学大学院修士課程の専攻分野を問わず、幅広く門戸を開いています。
本研究科の博士課程では、経営管理に関する専門科目を履修することに加えて、ケースと呼ばれる教材を自ら作成し、それに基づく事例研究論文を作成して発表する特別実習科目を履修すること、自分の専攻領域を2つ申請・登録し(主領域と副領域)、両方の領域の総合試験に合格することが、博士論文着手の資格条件となっています。したがって、本博士課程は、上述の目的に適う資質のある学生であれば各自の出身大学大学院修士課程の専攻分野を問わず受験することが可能ですが、充分な勉学意欲と問題意識を持つことが受験および課程修了に当たって強く求められています。

4.国際的認証

慶應義塾大学大学院経営管理研究科は、2000年4月に、マネジメント教育に関する国際的な第三者評価機関であるAACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business)による認証を2000年4月に日本で初めて取得し、2005年4月にはさらに国内で初めて継続認証を取得しました。
国際的認証機関によるグローバルな基準での客観的評価を継続して得たことは、提供しているカリキュラムや研究内容、また教授陣や在校生、卒業生などが「マネジメント教育の国際的基準を十分にクリアーしている」と改めて確認されたことになります。グローバル競争の中でリーダーたり得る、優れたマネジメント人材を育成する使命を担っている本研究科では、常に目標を世界のトップクラスに掲げ、高度な教育の質を確保して きました。今後も、グローバルな視点と専門知識とを兼ねそなえた、社会をリードする「マネジメントのプロフェッショナル」の育成を目指します。

5.お問い合わせ

慶應義塾大学大学院経営管理研究科 ビジネス・スクール
〒223-8523 神奈川県横浜市港北区日吉本町2-1-1
TEL:045-564-2441
FAX:045-562-3502

慶應義塾大学大学院経営管理研究科Webサイト http://www.kbs.keio.ac.jp/ より編集、転載

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