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『会計情報から経営を「読み・解く」』に参加して

2004年10月12日

慶應MCC「知的基盤能力プログラム」の1つである『会計情報から経営を「読み・解く」』に参加された廣畠耕造さん(NOK株式会社で海外営業をご担当)に、プログラムに参加された動機やご感想、そして、いま学んだ知識をどのように活用されているか、について書いていただきました。

会計情報から経営を「読み・解く」―ケースで鍛える会計リテラシー
【講師】山根 節(慶應義塾大学大学院経営管理研究科・ビジネススクール教授)
小林 元(税理士法人株式会社ゼネラル・コンサルティング・ファーム代表、公認会計士、税理士)
坪井信行(T・Cマネジメント代表、証券アナリスト)
【日時】2004/7/7 - 9/1 全6回 3時間/回


“目から鱗!”「会計情報から経営を『読み・解く』」コアコース第1回目のセッションを終えた時の私の第一声である。営業活動の顧客分析に役立てようとの思いから本講座のベーシックコースより参加し、財務諸表分析の手法をある程度マスターした上で第1回目のセッションの課題に取組んだ。ベーシックコースで習得した経営分析指標を用いて自分なりに分析出来たとの思いで第1回セッションを受講したが、講師山根先生の分析の鋭さの前では百分の一にも及ばない事を思い知らされた。財務諸表の情報でどうしてあれだけの企業分析が出来るのか。こうして私の財務諸表との格闘が始まった。
第2 回、第3回セッションはベーシックコースでもご担当いただいた小林先生が受け持たれた。以後、各セッションでは与えられたケース(財務諸表)を事前に受講者各人が分析し、グループ討議で修正を加え、講師を交えた全体討議で仕上げるというケースメソッド式学習法が取られている。この第2回、第3回セッションにて、知名度のある企業の成長過程の時期を捉えての財務諸表とあるベンチャー企業の財務諸表の分析を行ったが、ここで経営分析指標を駆使して結論に導く手法の基礎を学んだ。
第4 回セッションは私にとって最も印象に残るものとなった。課題は「同業種企業I社とS社でどちらに投資したいと思うか?」というものであった。両社の経営分析の結果より私はS社の方が勝っていると決めつけ、誰もが当然のごとくS社を選択するものと信じてセッションに臨んだが受講者各人の意見はみごとに真っ二つに割れた。同じような分析手法、分析結果に導きながら、全く異なる選択が採られる不思議。分析結果を最終的に判断するのは人間であり、その人間の価値観の違いによって全く異なる選択がなされ、その選択に対してお互いの意見をぶつけられたことで、ケースメソッド学習方式の面白さが感じられたセッションとなった。また、このセッションをご担当された坪井先生のケースに取上げられた企業の後日談として、該社が以外な展開をしていることを知り、企業の将来性を予測することの難しさ、企業分析の面白さを感じる事が出来た。
第5回、第6回はこのコースの総仕上げという位置付けで、有価証券報告書を配られて自由に分析するというものであった。分厚い有価証券報告書を配られて一体どこから手をつけてよいのか途方にくれた。一応の結論付はしたものの充分な分析もままならず、何か消化不足の感が残ってのセッション参加となったが、公表されたニュース記事と財務諸表でかなりのレベルまでの企業分析が出来る事を講師の方々に見事に実践いただいた。経営分析は財務諸表の分析に留まらず、日頃の知識、ビジネス経験を加味してこそ生きてくるものであり、今回の受講はその切り口を経験できたにすぎず、奥の深い学問であることを感じた。
この「会計情報から経営を『読み・解く』」コアコースの目的は財務諸表等の企業情報を分析し、その結果を大局的に見極め、いかに結論付けていくかにあると思う。その学習方法にケースメソッド方式がとられ、受講者の自由な発想のもとお互いの価値観をぶつけあってひとつのテーマをまとめあげるプロセスが採られている。したがって、完璧な正解などはじめから存在しない。(といっても過去のケースを分析しているので、その企業の現在の姿をみればその選択・判断が正しかったかどうかの判別はつくが。)私もケースメソッド学習方式は初めての経験だったので受講当初は不安もあったが、いざ課題準備を始めると自分の分析にどんどんのめり込み、自分の世界を築いて色々なアイデアが浮かんできた。おかげで家族サービスの出来ない休日もあったが。準備充分と思って臨んだセッションでは、グループ討論で思いもつかなかった点に気づき、その後の全体討論では思わぬ展開に自分の分析の未熟さをつくづく思い知らされた。しかし、一つのケースから様々な議論が生まれ、その中から新たな自分の考えに気づくという点で各セッションを終了した後に残った印象は大きく、講義だけでは味わえない充実感を感じた。
来年1月にはアドバンスコースも開設されると聞く。私も当初の目的である営業活動の顧客分析に役立てるべく、さらなる分析力のアップを目指し是非参加させていただきたいと思っている。山根先生がアドバンスコースでどのようなケースを準備されているのか楽しみである。
(廣畠耕造)

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