私をつくった一冊
2025年05月09日
清水 たくみ(慶應義塾大学総合政策学部准教授)
慶應MCCにご登壇いただいている先生に、影響を受けた・大切にしている一冊をお伺いします。講師プロフィールとはちょっと違った角度から先生方をご紹介します。
1.私をつくった一冊をご紹介ください
2.その本には、いつ、どのように出会いましたか?
私が大学院博士課程にて留学している最中に、本書は出版されました。自身が学術研究の道を志す(=論文等を「書く」ことを仕事・キャリアの一つの核にしようとしている)中で、元々愛読していた村上春樹さんの職業論に強い関心を持ち、本書を手に取りました。
3.どのような内容ですか?
小説を書くとはどのような行いなのか、小説家とはどのような人種なのか、どのようなきっかけで小説家を志したのか、具体的にどのようなワークスタイルで日々の小説執筆をおこなっているのか、等の小説家という職業についての諸々を、村上さんご自身の経験をもとに語られている本です。
4.それは先生にとってどんな出会いでしたか?
真の意味で世界的に影響力を持ち、歴史に名を残すクリエイターである村上さんの職業倫理について深く影響を受けました。具体的な執筆ルーティンなどもさることながら、「オリジナリティとは何か」についての考察や、職業人として「新しいフロンティア」に挑む意欲を常に持ち続けることの重要性など、自身の職業観をかたちづくる上で多くの刺激をもらいました。
5.この作品をおすすめするとしたら?
著者の小説やエッセイを読んでいるか否かに関わらず、また文筆に関わる仕事をしているか否かに関わらず、この世の中に「オリジナルな仕事」を残したいと願っている方に強くおすすめします。小説家のレンズを通して、それがどのようなものであるかを垣間見ることができると思います。
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- 清水 たくみ(しみず・たくみ)
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- 慶應義塾大学総合政策学部准教授
- 慶應MCC担当プログラム
- 慶應義塾大学総合政策学部卒業。ローランド・ベルガーにて戦略コンサルティング業務に従事した後、マギル大学経営学博士課程。ハーバード大学Berkman Center for Internet & Societyインターン、早稲田大学ビジネススクール准教授等を歴任。2021年より現職。専門は経営情報学および経営組織論。
特に技術と社会の変化が経営・組織に与える影響に注目し、未来の組織・働き方、ハイブリッドワーク、オンライン上のコラボレーションやイノベーション、デジタル組織文化、多様性を生かした組織づくり、データ・アナリティクスの事業や組織への活用、などを研究。
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